「志望動機」は、歯科医院の採用者が履歴書の中で注目する重要な箇所です。
それゆえ志望動機を書くときに、どう書けば良いのか頭を悩ませる方も多いはず。
- 志望理由をうまく表現するには?
- 書く時に押さえておくべきコツは?
こういった悩みに「転職を4回経験した歯科衛生士」がお答えします。
✔︎ この記事を書いたひと
分野別・キャリア別の志望動機の書き方の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
■ もくじ
歯科衛生士の志望動機|書き方のポイント
志望動機とは簡潔に言うと『その医院で働きたい理由』です。働きたい意欲や自分の考えを採用者に伝えるための大切なもの。
志望動機を書くときに押さえておきたいポイントは3つあります。
✔︎ 志望動機を書くポイント
「なぜここで働きたいのか」「今後どういった働きをしていきたいのか」をアピールしていきましょう。
「なぜこの歯科医院なのか」をはっきり書く
「なぜこの歯科医院なのか」は、一番重要なポイントです。
数ある歯科医院の中から何処に魅力を感じてくれたのかは、採用側にとっても気になるからです。
魅力に感じる具体的な内容を書くためには、ホームページを読み込むのはおすすめです。
歯科医院が大切にしている考えや方針を知ることができます。

考えや方針を踏まえて志望動機を書くと、採用者の心に響きやすいです。
逆に『家から近い』『給与が高い』『福利厚生が充実』といった内容をメインの志望動機にするのは微妙。
これらは『本音』の部分ではありますが、建前上、医院の考えや方針を志望動機にしましょう。
「どんな歯科衛生士になりたいか」を明確に書く
「どんな歯科衛生士になりたいか」は、目指す衛生士像のこと。採用の可否に関わる大切なポイントです。
目指す歯科衛生士像が、歯科医院にマッチすると、働きやすい職場が見つかりやすくなります。
具体的な歯科衛生士像がない場合は、「長く働いて貢献したい」「地域の人たちに貢献したい」といった内容でも大丈夫。
一緒に成長してくれると思ってもらえるようにしましょう。
自己PRする
自己PRは、志望動機を書く上で欠かせまん。
あなたを雇うことによって歯科医院にどんなメリットがあるか…をPRしてください。
「今までどういった歯科医院で働いてきたか」「どのようなスキルを持っているか」を書きましょう。

「コミュニケーションが得意」「気配りができる」などの性格でもOKです。
歯科衛生士として活かせるポイントはしっかりと伝えて、採用者にアピールしていきましょう。
自己PRの例文は 書き方のコツ|歯科衛生士の自己PRの例文を紹介します をご覧ください。
歯科の分野ごとの志望動機の例文
志望動機の例文を歯科の分野ごとにわけて紹介します。
一般歯科の志望動機
一般歯科への志望動機の例文です。
私が貴院を志望した理由は、貴院の『地域のアットホームの歯科医院で健康なお口を守る』というコンセプトに惹かれたからです。
生まれ育ったこの街に住む方のお口の健康を守れるというのは、私なりの恩返しのようなものです。
チアリーディングで培った明るさを活かしつつ、地域密着型でどんな患者さんにも寄り添える歯科衛生士になりたいと思っております。
自習していくとともに先生や先輩方からたくさん学ばせていただけるよう、積極的に学びの機会を作っていきたいと思っております。
貴院の患者さんに向き合う姿勢にとても共感いたしました。
1人1人のチェアタイムをしっかりとって、患者さんとのコミュニケーションをとりつつ、丁寧な治療を行っていけるというのは魅力的に映りました。
患者さんの望みをしっかり聞いたり、ライフスタイルにあった治療計画を立てるためにも向き合う時間をかけれるのは素晴らしいと思います。
貴院で患者さんとしっかり向き合い、長く寄り添える歯科衛生士を目指していきたいと思っております。
矯正歯科の志望動機
矯正歯科への志望動機の例文です。
私が貴院を志望した理由は「患者さんに合わせたオーダーメイドの矯正を行っている」というところに惹かれたからです。
その人にとっての最高の咬み合わせや笑顔に導いていくという院長の考えに心を動かされました。
私自身も矯正した経験がありますので、より患者さんの気持ちに寄り添ったサポートができるかと思います。
そして、1人1人にあった矯正期間中のケアやメンテナンスが提案できる歯科衛生士を目指していきたいと思っております。
審美歯科の志望動機
審美歯科への志望動機の例文です。
ホワイトニングの施術をした後に患者さんが来院時よりも明るい笑顔で帰っていかれる姿を見て、とてもやりがいのある仕事だと感じておりました。
昨年、更にこの道を極めたいと考えてホワイトニングコーディネーターの資格も取得しました。
貴院の『患者さんが求める美しさを一緒に目指す』という考え方に惹かれ、私も患者さんに寄り添ったホワイトニングコーディネーターを目指したいと思い志望させていただきました。
予防歯科の志望動機
予防歯科への志望動機の例文です。
歯科衛生士がより活躍する予防歯科の分野に興味があり、患者さんとしっかり向き合ってTBIに取り組んできました。
自分の歯を自分で守れるようになっていく患者さんを見れることがとてもやりがいとなっております。
貴院が1人1人に合った予防プランを立てることに注力しておられることを知り、ぜひ貴院で働かせていただきたいと思い志望させていただきました。
小児歯科の志望動機
小児歯科への志望動機の例文です。
子どもの時の口腔内のケアがその後にも大きく影響していくと学んでから、未来を担う子どもたちのお口の健康を守りたいと思い小児歯科の勉強に力を入れてきました。
貴院の『歯磨きを好きな子に育てる』というコンセプトに惹かれ、子どもたちが自樹的に取り組みたくなるような楽しくなれるブラッシングタイムを作れる歯科衛生士になりたいと思い志望させていただきました。
病院歯科(総合病院・大学病院)の志望動機
病院歯科(総合病院・大学病院)への志望動機の例文です。
実習中に見学した周術期の口腔ケアにプロフェッショナルな印象を受け、口腔ケアに力を入れて学んできました。
貴院での見学の時に周術期の口腔ケアやプランを見せていただきましたが、患者さんの全身疾患から手術内容に合わせて他の職種と連携して取り組んでおられる姿に更なる感化を受けました。
貴院で実践とともに知識を増し加えて口腔ケアで活躍できる歯科衛生士になりたいと思っております。
私は貴院での実習で口腔癌の患者さんのケアを見学させていただきました。
周術期の口腔ケアのプロフェッショナルさも素晴らしかったのですが、患者さんが術後少しずつ経口接種ができるようになっていく過程に関わっていけるのもとても喜びの多いものだと感じました。
食べる喜びを回復させていけることにプロとして向き合っていく先輩方に憧れを抱き、志望させていただきました。
貴院で口腔ケアや口腔機能訓練に特化した歯科衛生士を目指していきたいと思っております。
病院勤務の仕事内容や給料は、以下の記事で解説しています。
訪問歯科の志望動機
訪問歯科への志望動機の例文です。
『食べる喜びは人生の最後のほうまで残る』と学校で学び、食べる喜びを守れる歯科衛生士になりたいと考えてとりわけ口腔ケアを勉強してきました。
口腔ケアの認定も先月取得しました。
貴院の『食べる喜びをいつまでも』という考え方に惹かれて、貴院で知識やスキルアップをしていきたいと思い志望させていただきました。
訪問歯科へのくわしい志望動機は、【訪問歯科へ転職】歯科衛生士の志望動機の書き方【例文コピペOK】をご覧ください。
オープニングスタッフの志望動機
オープニングスタッフの志望動機の例文です。
今まで歯周病に特化した歯科医院でSRPに力を入れて働いてきました。
患者さんを長期で担当してお口の健康管理をさせていただけることにやりがいを感じておりました。
貴院の初診から歯科衛生士が担当して、患者さんと歯科医師と共に治療計画を立てていけるという方針に惹かれ応募させていただきました。
最初から責任を持って患者さんの口腔内をずっとサポートし、患者さんに寄り添い続けられる歯科衛生士を目指しております。
歯科衛生士の立場ごとの志望動機
「新卒」「ブランク」「パート」「第2新卒」(新卒で1年以内に辞めてしまった人)の立場別に志望動機の具体例を挙げていきます。
新卒DHの志望動機
新卒歯科衛生士の志望動機の例文です。
私は様々な悩みを持った患者さんに寄り添えるようになるために、予防以外にも他の多くの分野も学んでいきたいと思っております。
貴院はインプラントや矯正、口腔外科などオールマイティーに対応しておられますし、勉強会も定期的に開催しておられるので、より知識や技術を磨いていくのに魅力的に映りました。
先輩方のようにプロフェッショナルな歯科衛生士になるためにも入職後は勤務時間外にも学びの機会を設けて、向上心を持ち続けてそれを臨床に活かせる歯科衛生士を目指して参ります。
ブランクありの志望動機
ブランクありの志望動機の例文です。
出産を機に仕事を辞めて5年ほど育児に専念しておりましたが、子育てをする過程で改めて予防の大切さを感じました。
そして、予防のプロフェッショナルである歯科衛生士としてまた働きたいと思うようになりました。
貴院は小児歯科の中でも予防に取り組んでおられて、TBIを通してセルフケアの大切さを幼い時から教えるというところに力を入れておられて、とても素晴らしいと思いました。
私も貴院と同じ志を持って地域の子どもたちのお口の健康を守っていきたいと思っております。
ブランク明けは、理由が重要です。
具体例をもっとみたい方は、【例文あり】ブランク明けの歯科衛生士の志望動機の書き方 をご覧ください。
パートの志望動機
パートの志望動機の例文です。
出産や育児により歯科衛生士の職を離れておりましたが、やはり臨床で得られた学びや喜びが忘れられず、また働きたいと思いました。
貴院は全ての歯科衛生士に担当制や学びの機会を提供してくださっているので、パート勤務をしながらでもスキルやモチベーションをアップしながら働けると思い志望させていただきました。
貴院は家からも近いため長く勤めさせていただけたらと思っております。貴院や患者さんに貢献できる歯科衛生士を目指します。
今まで8年間、歯周病に特化した歯科医院で正社員として働いてきました。
結婚を期にパート勤務に切り替えて働こうと思い、パートでも今までのスキルを更に向上させることができる医院を探しておりました。
貴院はSRPや歯周外科に力を入れておられるので、更に歯周病の分野で学びを深めていけると感じました。
歯周病の認定歯科衛生士も在籍しておられるということなので、スキルや知識などを学ばせていただきたいと思っております。
パートでもキャリアアップへの向上心を持ち続け働いて参りたいと思います。
筆者は、パートの掛け持ちから常勤になりました。
»【向いてない】歯科衛生士をやめたいアラサーDHが理想の職場・働き方を真剣に考えた!試した結果は?
第2新卒の志望動機
第2新卒(新卒で1年以内に辞めてしまった人)の志望動機の例文です。
前職の歯科医院ではとてもたくさんの患者さんを診させていただくことができました。
歯科衛生士としてやりがいを感じていたのですが、更に良いスキルと知識を持って患者さんに接していきたいと思いました。
貴院はスキルアップセミナーを開催しておられたり、独自の歯科衛生士のトレーニングプログラムももっておられます。
多くの学びの機会を用意してくださっている貴院で働かせていただき、自信を持って患者さんを診れる歯科衛生士を目指していきたいと思っております。
第二新卒の中途採用を積極的に行なっている歯科医院も多いです。
まとめ:自分らしい志望動機で、履歴書を充実させよう
この記事では、志望動機の書き方のコツや分野や立場に応じた例文を紹介しました。
コツや例文を活かして自分の思いや応募先の特徴などを捉えつつ、あなたらしい志望動機の文章を完成させてください。
「そこで働きたい」という意欲が、履歴書の志望動機を通して伝わりますように。