歯科医師のわたしは親の歯科医院を潰すことに決めた【継がない選択をした理由】

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2世の歯科医師「親の歯科医院を継ぐか迷っている。継がなかったひとの理由をしりたいな。継がないと廃業することになるけど、継ぐモチベーションがわかない。…」

 

本記事ではこういった悩みのある先生にむけて、歯科医師である私の実体験を紹介します。

 

親が歯科医院を開業している歯科医師にとって「親の歯科医院を継ぐか迷っている」というケースをちらほら見かけます。

 

この記事を書いている私もその一人です。

 

地方で開業している歯科医師の親が体調を崩し、歯科医院をどうするか…の狭間で悩んでいます。

 

そこでこの記事では親が開業している歯科医師が「親の歯科医院を継がつかない理由」を紹介します。

 

この記事を読んで、親の歯科医院を継ぐか迷っている歯科医師の先生が、「結局どうしたらよいか」の道しるべの一つになると嬉しいです。

 

普段はツイッターで医療と介護の情報を発信しています。記事の信頼性につながると嬉しいです。

 

 

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歯科医師のわたしは親の歯科医院を潰すことに決めた【継がない選択をした理由】

 

厚生労働省のデータによると、年間約1,500件の歯科医院が廃業しています。(参照 医療施設動態調査

 

院長の高齢化、後継者不足、資金繰りの悪化…が主な原因です。

 

このような背景の中、歯科医師である私は親の歯科医院をつぶすことに決めました。

 

理由はシンプルで

 

モチベーションが湧かない

 

…からです。

 

モチベーションが湧かない理由を深堀りすると3つあります。

 

 

①:土地が違う

 

②:分野が違う

 

③:いまより所得が下がる

 

 

少し詳しく紹介していきます。

 

①:土地が違う

 

土地が違う…つまり「環境が変わる」ということは、医院継承へのモチベーションが下がります。

 

いま私が働いている場所は比較的人口の多い都市ですが、親が開業している場所は地方です。

 

今の生活が割と充実しているので、あえて環境を変える…という意欲があまり出ません。

 

行き来しながら…ということも考えましたが、新幹線で3時間の距離ということもあり毎週通うのは個人的にはキツすぎます。

 

生活の拠点を移せばよいのでは?という意見もありました。

 

ですが生活の拠点を移して、さらにこの先数十年歯科医師として生きていく…ということは私にとってはストレスでした。

 

参考:親の歯科医院を継いだら、そのままやめられないのでは…【2世の悩み・不安について】

 

②:分野が違う

 

親と専門分野が違う…ということも、継承するための大きな難関です。

 

親は一般歯科全般をやっていますが、私は高齢者歯科を専門にしてきました。

 

とくに認知症の方の治療や、飲み込み(摂食・嚥下)を得意としています。

 

そのため患者さんの属性が全然違います。

 

そのため、継承したとしても患者さんを一から開拓しなければいけません。

 

今の患者さんをそのまま引き継いてみていけば良いのでは?…という考えもあると思います。

 

私にとっては一般歯科があまり得意ではなく、治療自体もそこまで興味がわかないため、それを仕事にしていくのは精神的にかなりキツイです。

 

実際、矯正やインプラントを専門にしている先生方も、親との分野の違いに悩む人もいるのでは?…と思っています。

 

③:いまより所得が下がる

 

親の病院の収支を確認できる機会がありました。

 

病院を継承した場合、今と比べて所得が1/3ほどに下がる(経費等も計算済み)ことになります。

 

最近は一人一人の患者さんをじっくり診察ていたようで、あまりガツガツ診療していなかったためです。

 

もちろんメリットもあります。

 

借金がない

建物が自己所有

長年の患者さんがきてくれている

 

とはいっても、継ぐモチベーションがなかなかわかない…です。

 

参考:【人生の岐路】アラフォー歯科医師が親の歯科医院をつぐメリット・デメリットを考えた

 

未来のビジョンとか経営のビジョンって、モチベーションが必要だ…ということを痛感しています。

 

歯科医院を継ぐモチベーションが湧かない理由をさらにふかぼり

 

歯科医院を継ぐためのモチベーションが湧かない理由をもう少し深堀りします。

 

 

・歯科に対するモチベーション低い

 

・変化がこわい

 

・自信がない

 

 

 

あまり患者さんの前では言えないような、イチ歯医者としての本音です。

 

歯科に対するモチベーション低い

 

他の先生方に比べて歯科に対するモチベーションは低いです。

 

学生の時に自分の手の不器用さに絶望し、歯医者になっていいのかと心の底から悩みました。

 

歯の形を彫刻する実習があったのですが、周りが綺麗に歯の形に仕上げていく中、わたしだけオブジェが出来上がりました。

 

大学に入ったときは歯科に対する興味があるかどうかもわかりませんでしたが、大学にはいってから絶望しました。

 

人の10倍練習すればいいじゃん!と言われましたが、そのことに10倍の人生の時間を使ってよいのかにも悩みました。

 

 

✔︎ 歯医者は分野がひろすぎる…

 

ご存知のように歯医者は虫歯だけでなく、歯周病・入れ歯・神経の治療・インプラント(他にもいっぱい)…など口に関する治療幅広く扱います。

 

そのため私は考え抜いた結果、高齢者に特化することに決めました。そうしないと歯医者としては生き残れなかったと思います。

 

参考:不器用な歯医者の戦略を解説します【5つある / 大切なことは自分の幸せ】

 

変化がこわい

 

お豆腐メンタルなので変化が怖いです。

 

人によっては新しいことにチャレンジしたい…というタイプもいますが、私は真逆です。

 

変化することにものすごくストレスを感じるので、新しい環境に飛び込むというのは正直怖いです。

 

今が安定している…ということも影響しています。

 

今までも人生の選択がありましたがその度に体調悪くしていました。

 

もちろん今振り返ると、「大したことなかったじゃん」と思えるのですが、いざその場に出すとやはり怖いです。

 

自信がない

 

歯医者として自信満々かといわれると、全くそうではありません。

 

高齢者に特化タイプなので、インプラントをしたりホワイトニングをしたり難しい親知らずを抜いたりといった治療は苦手です。

 

そのため他の先生方のキラキラした症例を見ると、感嘆とともに絶望に襲われます。

 

そして、人の体を傷つけたり血を見たりするのが得意ではない…という致命的な弱点もあります。

 

もちろん高齢者や認知症の人を見るときは自信を持ってやっています。

 

これから日本は高齢化社会に突入するので患者さんの需要も見込めます。

 

とはいえ診察できる患者さんの属性がせまい…というのは、メリットではあるんですが、お豆腐メンタルにとっては不安もあるのです。

 

 

✔︎ 経営タイプなのか職人タイプか

 

私は自分自身をなるべく客観的に見て、「経営タイプ」ではありません。新しいことにガンガン飛び込むわけでもないですし、営業なんてできません。

 

とはいってもゴリゴリの職人タイプでもないため、つねに模索している状況です。

 

周りの歯医者友達を見ていると、手先が器用でも開業して成功するわけでもないですし、逆も然りです。

 

勤務で輝く先生もいれば 、NO.2タイプもいたりします。

 

自分を知るってほんと大事です(汗)

 

グダグダ生きたい

 

ここからは個人的な性格ですが、基本的に引きこもりなので、できることならグダグダ生きていきたい…と思ってます。

 

そういう意味でも、歯科医院を継ぐ…というのは難しいのかなと思っています。

 

参考:【意識低い系】歯科医師をやめたい歯医者が理想の働き方を考えてみた【結論:週休4日】

 

歯医者としてもつねに「いつまでできるか」を考えています。

 

今はフリーとして仕事していますが、病院との契約はいつまで続くか分かりません。

 

そもそも体がずっと健康とは限りません。

 

以前、つぎのようなツイートをしたら、かなり共感をいただきました。

 

 

人生の QOL をあげていきたいなと思っています。

 

歯科医院を継がない…【申し訳ない / 罪悪感の嵐】

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

今回は親の歯科医院を継がない理由を紹介してみました。

 

正直、親には申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 

継いで欲しい…という意思を叶えてあげられなかったという罪悪感もすごいです。いまだに気持ちがブレて迷うこともあります。

 

自分の人生!とはわかっているけれど、割り切れるほどメンタル強くないからです。

 

そしてこれから「どうやって廃業するのか」「いつ廃業するのか」「誰かに継承するのか」「売却するのか」といった問題も山積みです。

 

ここらへんも進展があれば紹介していきたいと思っています。

 

今回は備忘録も兼ねて記事にしてみました。

 

最後に

 

悩んでいる私に親友が送ってくれた LINE は元気が出ます。

 

 

ありがたや。

 

歯医者は全国に約7万件あり、コンビニ(5.5万件)より多いです。その中で、毎年1,500件の歯科医院が廃業し、新たに2,000件ほどの歯科医院が誕生しています。

 

そのひとつひとつにドラマがあるんですよね。

 

歯科に関わるすべての方が幸せに生きられますように。

 

今回は以上です。

 

 

 

 

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