
歯科医院に勤務する歯医者「歯科医院で勤務医として働いているけど、歯科医師(勤務医)の平均年収を知りたい。自分は周りと比べて、どのくらいもらっているんだろう。開業した方が稼げそうだけど…」
こういった疑問にお答えします。
✔︎ 本記事の内容
・勤務医の歯科医師の年収
・勤務医の歯科医師の年収から気づくこと
✔︎ 記事の信頼性

この記事を書いているわたしは歯科医師です。
私は10年以上、勤務医として働いています。
振り返ると、もらったお給料はピンキリです…
歯科医院で勤務医として働いていると「歯医者の勤務医って、年収いくらが普通なんだろう?」とふと思うことがありますよね。
この記事では勤務医の歯科医師の平均年収を解説しつつ、「 開業医との差」や「平均年収から考察されること」を紹介していきます。
この記事を読めば、歯科医院で働く勤務医の先生たちが「自分の現在地」を知ることができます。
■ もくじ

【実態:600万円です】勤務医の歯科医師の年収はいくら?【歯医者が解説します】
実態:勤務医の歯医者の年収は600万円です
結論からいうと、勤務医の歯科医師の平均年収は約600万円です。(参照 第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告)
参照にしたデータは「開設者別」になっていて、平均給料とボーナスの合計値が表されています。
✔︎ 参考資料
個人の歯科医院の場合は、分院長・雇われ院長・勤務医が含まれていて、年収平均は約630万円。法人の場合は約560万円というデータになっています。
ざっくり600万円です。月給にすると50万円。1ヶ月に20日間働くとして日給は2.5万円…という計算です。
勤務する歯科医院によって差はある【1,000万円越えの勤務医も】
とはいえ、勤務する歯科医院によって相当の差がある…と考えられます。
ひと言に歯科医院と言っても、個人の歯科医院から大型の法人、保険中心のクリニックから自費診療メインのクリニック…までいろいろだからです。
例えば、研修医の先生が修行するような機関だと、平均より年収が低いことがほとんどです。実際、私も1〜2年目は月の給料が10万円台だったこともあります。
逆に、自費率の高い大型の医療法人では1,000万円以上稼いでいる勤務医もいます。自費率が20%で年収2,000万円…という先輩の歯科医師もいました。
矯正や口腔外科など高い専門性をもつ先生達も、1,000万以上稼げる人が多い印象です。
中央値は大切な指標
データの中に一人だけ飛びぬけて高い給料の人がいると、それだけで平均値は跳ね上がってしまいます。
そのため、データを見るときは平均値だけでなく「中央値」をみることも大切です。
中央値とは、「データを大きい順から小さい順にならべたときの真ん中の値」です。
中央値を確認することで、実態からブレない値…を知ることができます。
✔︎ 具体例
厚生労働省の 平成30年賃金構造基本統計調査を参考にすると以下のような分布になっています。
月給 | 20.0~29.9万 | 30.0~39.9万 | 40.0~49.9万 | 50.0~59.9万 | 60.0~69.9万 | 70.0~79.9万 | 80.0~89.9万 | 90.0~99.9万 | 100~119.9万 | 120万~ |
該当者数 | 890 | 1760 | 890 | 740 | 530 | 780 | 530 | 140 | 100 | 910 |
※ このデータは勤務医以外にも開業医や分院長(雇われ院長)も含まれているので歯科医師全体と考えてください。
調査対象者7250人のうち、一番多いゾーンが月給30〜39.9万円が1,760人。次に多いゾーンが月給120万円以上の910人になっています。
そのため平均値を算出すると「64.4万円」と、やや高めになっています。
一方で、中央値は調査対象7,270人なので3,635番目のひとの値…なので「50〜59.9万円」ということになります。
この場合、中央値の方が実態に近い値…ということになりそうです。
歯科医師の勤務医の年収から気づくこと
開業医との年収差
開業医と勤務医の平均年収を比べてみましょう。
✔︎ 参考資料
この資料からわかるように
開業医:1,400万円
勤務医:600万円
…と、シンプルに約2倍以上の差があります。
参考:【歯科医師の年収はいくら?】歯医者がわりと詳しく解説します【開業医・勤務医・女医のリアル】
勤務医の歯科医師【メリット・デメリット】
勤務医の中でも平均年収はバラつきがあること、開業医に比べると平均年収は低いこと…がわかりました。
そのほかにも、勤務医の歯科医師にはメリット・デメリットがあります。
✔︎ 勤務医の歯科医師のメリット
・借金を背負わない
・環境に合わせて転職できる
・経営やスタッフ管理の必要がない
✔︎ 勤務医の歯科医師のデメリット
・好きなように診療できないことがある
・成果が給料に反映されないこともある
メリットとしては、借金を背負う必要がないこと・転職ができること・煩わしい経営に関わる必要がないこと…が挙げられます。
反対にデメリットとしては診療の自由のが低いこと・報酬が設定できないこと…があります。
以前はほとんどの歯医者が開業していたようですが、いま実態としては、勤務医のままを希望する歯科医師も増えています。
平均以上の年収がほしい…
平均以上の年収・給料をもらうために必要なことは「自分の価値をあげる」…一択です。
・治療のスキル
・対人関係のスキル
この2つは重要です。
一定水準以上の治療スキルを取得することは、歯科医師としては大前提ですね。
技術の向上や専門性の強化は、歯科医師としての価値が上がるだけでなく、余裕も持つことができます。
とはいえ勤務医の場合、治療スキルだけでは給料に反映しないことも多いです。
治療スキルはそこそこだけど、患者さんウケがよいので稼いでいる…という勤務医の先生もいます。
患者さんだけでなく、院長や周りのスタッフとの人間関係も重要です。
治療のスキル・対人関係のスキル…この2つはどちらも「歯科医師としての価値」を高めることになるので、意識するようにしましょう。
自分の価値はつねに確認しておく
年収は「自分の価値を測るモノサシ」にもなります。
勤務医であれば、自分を高く買ってくれるところで働きたい…というのも当然の感情です。
そのためには、定期的に転職サイトを確認しておくことが有効です。
歯科院は全国に7万件。今の職場が最高…という保証はありません。
特に、人間関係や待遇…にはいつ不満がでるかわかりません。そのため、いつでも転職できる…という気持ちは心に余裕をうみます。
希望にあった歯科医院をみつけるなら、まずは転職サイトに登録して気になる求人をチェックしておきましょう。
オススメの転職サイトはこちら ▼
✔︎ 歯科医師の転職につよい転職サイト
・ファーストナビ | 人間関係を重視する先生におすすめ
※ エージェントが院長の人柄などの内部情報をおしえてくれる・まずは登録しておきましょう
・グッピー | 実績をウリにしたい先生におすすめ
※ 独自の適性診断機能をうけられる・スカウト機能を使ってスキルを最大限に売り込める
・ジョブバディ(Job Buddy) | 関東近郊の先生におすすめ
※ 関東を中心とした求人が多い・適正給与を教えてくれる・転職した後までアフターケア
実際に利用した勤務医の先生たちの評判も上々です。
サイトごとに取り扱う分野や給料などが違うので、求人サイトは2〜3社登録しておくと、求人の見逃しがなくなります。
「転職サイトの特長は?」「良質な求人を見極めるコツは?」
…といった疑問をお持ちの方は、こちらの記事をご覧ください ▼
✔︎ 余談
給与の交渉が苦手…という先生は、エージェントさんに任せるのはひとつの方法です。
いまは給料などの条件交渉だけでなく、内部の人間関係を事前に教えてくれるサイトもあります。
参考:歯科医師の転職にはエージェントを使うべき理由【転職4回の私が解説】
実際に私はエージェントを使って転職して、落ち着いた環境で診療することができています。
まとめ:年収を他人と比較しない【しんどい】
今回は、勤務医の歯科医師の平均年収…を紹介してきました。
最後に、「年収を他人と比較する」のはオススメしません。他人との比較は気持ちがしんどくなるだけです。
上には上がいます。そのため比較すればするほど、自分はダメなやつ…と劣等感がうまれやすいです。
歯科医師同士はもちろん、他業種との比較もする必要はありません。あくまでデータとして認識するだけにしましょう。
比較すべきは「過去の自分」です。
1年前、1ヶ月前、昨日の自分…と比べて少しでも前進する。そんな気持ちが年収だけでなく、人生の質を上げていくはずです。
よい勤務医ライフを!今回は以上です。
✔︎ 歯科医師の転職につよい転職サイト
・ファーストナビ | 人間関係を重視する先生におすすめ
※ エージェントが院長の人柄などの内部情報をおしえてくれる・まずは登録しておきましょう
・グッピー | 実績をウリにしたい先生におすすめ
※ 独自の適性診断機能をうけられる・スカウト機能を使ってスキルを最大限に売り込める
・ジョブバディ(Job Buddy) | 関東近郊の先生におすすめ
※ 関東を中心とした求人が多い・適正給与を教えてくれる・転職した後までアフターケア