訪問歯科とは…?と疑問に思っている方へ。
・訪問歯科ってなに?聞き慣れないな。
・訪問歯科診療とは何者なのだろう。
・一般外来の歯医者との違いをしりたいな。
本記事ではこういった疑問にこたえます。
■ 本記事の内容
この記事を書いている私は歯医者です。
認知症や高齢者の方の治療を専門にしています。
毎日、患者さんの自宅や老人ホームのような介護施設に訪問しています。
Twitterで情報発信しています。記事の信頼性担保につながれば嬉しいです。
75歳をこえると歯科の受診は急激に減少します。健康上の理由も多い。
このような人には自宅にいながら歯の治療を受けられる”訪問歯科”という存在を知ってほしいな。病気により通院が困難な人なら利用できる。町の歯医者さんとほぼ同じ治療がうけられる。”市町村名 訪問歯科”で検索してみて。歯、大事。— しろたぬ@歯の人☘お豆腐メンタル (@shirotanu_dds) 2020年9月24日
『75歳をこえると歯科の受診は急激に減少します。健康上の理由も多い。このような人には自宅にいながら歯の治療を受けられる”訪問歯科”という存在を知ってほしいな。
病気により通院が困難な人なら利用できる。町の歯医者さんとほぼ同じ治療がうけられる。”市町村名 訪問歯科”で検索してみて。歯、大事。』
【訪問歯科とは..?】訪問歯科診療ってなんだろう。
訪問歯科とは…?
「訪問歯科」とは身体的、精神的な理由で歯医者に通院が困難な人のために、自宅や施設にいながら歯科診療が受けられる医療サービスです。
歯医者や歯科衛生士が自宅や介護施設に直接訪問して治療します。
高齢化社会を迎えるにあたり、国が促進している制度のひとつです。
「出張歯医者」「走る歯医者」のようなイメージです。
※ 訪問歯科はまだまだ知られていないのが現状です。「歯医者さんが家に来てくれるんですか?」と驚かれることも多いです。
訪問歯科診療とは…?
訪問歯科診療とは「訪問歯科のサービスを利用して、治療をうけること」です。
訪問歯科診療とは、身体的、精神的な理由で歯医者に通院が困難な人が利用できます。
具体的には寝たきり、歩行困難、入院中で通院できないのような自力での通院の難しい人が対象です。
訪問歯科の対象者については「訪問歯科の対象者」をわかりやすく解説します【利用条件はゆるめ】で解説しています。
実際、主に高齢者、認知症の方の受診が多いのが現状です。
高齢者の歯科受診の状況【訪問歯科をしってほしい】
高齢者は75歳を超えると、歯科の受診は急速に低下します。
健康上の理由が多いです。
そのため歯医者さんに通えない、我慢するしかない、という状況が続くことになります。
このような人のために、自宅にいながら歯の治療を受けられる医療サービスが「訪問歯科」です。
事実、訪問歯科の利用者は80代の方が一番多いです。
訪問歯科と一般外来の違い【診療形態に差がある】
訪問歯科一般外来の歯医者の違いを解説していきます。
✔︎【訪問歯科と一般外来の違い】
訪問歯科 | 一般外来 | |
---|---|---|
診療場所 | 自宅や施設 | 病院内 |
年齢層 | 小児から高齢者まで | 主に高齢者、障害者 |
健康状態 | 比較的良好 | 有病者(寝たきりも) |
意思表示 | 可能 | 難しいことあり |
費用 | 通常 | やや割高 |
大きくは、歯医者と歯科衛生士が病院で待っているか、出向いていくのか、の違いです。
費用は訪問歯科がやや割高ですが、タクシーなどで通院したり、時間的なことを考慮すると、必要経費と考える方もいます。
あと、治療内容には差がありません。
基本的に一般外来の歯科でできるほとんどの治療は訪問歯科でも可能です。
もちろん保険も使えます。
訪問歯科と歯科往診の違い
訪問歯科は歯科往診と呼ばれたりもします。
厳密には意味合いが違いますが、呼び方が違うだけ、という認識で問題ありません。
✔︎【訪問歯科と歯科往診の違い】
訪問歯科:計画的で継続的
歯科往診:突発的で応急的
どちらも患者さんの希望によって受けられます。
訪問歯科は計画的で継続的歯科治療です。
それに対し歯科往診は突発的で応急的な歯科治療のことを指します。
このように厳密には、訪問歯科と歯科往診は意味合いが違います。
とはいえ現実で細かく使い分けをする意味はありません。
「訪問歯科がくる」とか「今日往診ある」とか、そういう使い方でまったく問題ありません。
訪問歯科診療は国が推進している
訪問歯科診療は国も推進している事業です。
日本はこれから超高齢化社会を迎えます。
事実、介護の必要な人口は2020年で650万人を超え、2025年には人口の30%が高齢者になります。
そのため介護や医療を必要とする人の人数増加し続け、同時に 介護や医療をおこなう人の数が不足します。
介護や医療難民を作らないためにも、通院しなくても良い訪問というスタイルは今後必須の事業です。
訪問歯科とは”通院困難な方の命をまもる”制度です【積極的に利用してほしい】
今回の記事をまとめます。
・訪問歯科とは、自宅や施設にいながら歯科診療が受けられる医療サービス
・「訪問歯科のサービスを利用して、治療すること」訪問歯科診療と呼ぶ
・75歳を超えると健康上の理由から、歯科の受診率は急激に下がる
・訪問歯科は一般歯科と同等の治療をおこなうことができる
・高齢化社会で訪問歯科の需要は高まると考えられる
通院が難しい患者さんにとって、自宅や施設で歯科治療を受けられるというのはメリットです。
訪問歯科を利用すると、移動がないだけでなく、生活や介護の現状を確認しつつ診療をうけることができるからです。
歯と口が健康であるということは、美味しく食べ、心から笑うことができます。
つまりそれは、人生の質、生活の質となり「生きる力」を高めます。
一般外来の受診が難しい方はぜひ訪問歯科を利用して欲しいです。
・訪問歯科の「対象者」を知りたい方はこちら>>「訪問歯科の対象者」をわかりやすく解説します【利用条件はゆるめ】
・【訪問歯科衛生士として働きたい 転職情報】>>訪問歯科に強い求人サイトおすすめ3選【未経験でも需要あり】
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