認知症と診断されたらすぐに歯医者を予約してほしい【歯の治療を忘れずに】

この記事を書いている私は歯医者です。

 

認知症や高齢者の方の治療を専門にしていて、ほぼ毎日、老人ホームのような介護施設に訪問しています。

 

先日に下記のTweetをしました。

『「認知症と診断されたら、すぐに歯の治療をすべき」という事実はなるべく多くの人に知ってもらいたいな。
歯がボロボロのグラグラで、出血や口臭がひどくても、暴れまくりで触ることすら難しい患者さんをたくさん診てきた。早いうちなら”来たるべき将来にむけた”精度の高い治療を施すことができます。』

 

反応が大きかったので、記事で深掘りしていきます。

 

結論としては、「認知症と診断されたらとにかく歯医者を予約して、すぐに歯の治療をうける」です。

 

本記事の内容

 

当てはまる人は、記事を読み終えたらすぐに行動にうつしましょう。

 

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認知症と診断されたらすぐに歯医者を予約してほしい【歯の治療を忘れずに】

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認知症とは

最初に、認知症とは何者?ということを説明します。

 

認知症とは専門的には「正常に発達した知的機能が、後天的な器質的障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態」です。

 

簡単にいうと、「徐々に物忘れなどが進行し、生活に問題が起きる状態」です。

 

なぜ認知症で歯の治療が重要か

なぜ認知症になったら歯医者を予約してほしいのか。

 

それは「認知症は進行していく」病気だからです。

 

認知症は進行すると、日常生活に介護が必要になります。

 

歯に関していえば、歯医者に通院すること、日々の歯ブラシすらも難しくなってきます。

 

認知症の方への早めの歯科治療は、口の状況を整え、将来的に治療が難しくなった時期に備えるという意味で、とても大切です。

 

歯の治療をしないと、認知症の人の口の中は悲惨なことに

歯医者に行かないと認知症の人の口はどうなってしまうのでしょうか。

 

冒頭のツイートでもあげたように、結論、口の中がボロボロになってしまいます。

 

歯磨きができず、虫歯でボロボロ、ぐらぐらの歯がそのまま放置、出血していたり、口臭や乾燥かったり。

 

そういう状況を未然に防ぐために未来を予測した治療を施すことが大切です。

 

歯の放置は介護する側の負担も増える

歯の治療を先延ばしすることは、認知症の方だけでなく、介護に関わる家族やスタッフにとっても負担になります。

 

認知症は知的な機能の衰えとともに運動機能は低下します。

 

そのため指示が入りにくく、清潔を保つことがむずかしくなります。

 

また、舌の動きがほっぺたの動きや唾液の出具合などの機能が低下することも、不衛生を引き起こす原因になります。

 

このような痛みや苦痛の軽減に加え、介護者による管理のしやすさという意味でも、早期の歯科治療は重要です。

 

治療を受ける能力がある今でこそ、集中的に積極的に口の中の整えるべきなのです。

 

「認知症の人へ歯の治療」はステージでちがう【歯医者での治療内容】

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認知症の人には、歯医者でどのような治療をするのか解説します。

 

認知症の段階を「初期」「中期」「後期」で考えます。

 

✔︎ 【認知症の段階】

・初期:簡単な指示に従え、通常の歯科治療を受けることができる。

・中期:長時間の治療は困難で、細かな指示には従えない

・後期:指示には従えず治療困難

 

このように状況を分けることで、認知症のひとへの治療内容は変化します。

 

段階ごとの治療内容は下記の通りです。

 

✔︎ 【認知症の段階ごとの治療内容】

・初期:通常の歯科治療。むし歯や歯周病、被せ物や入れ歯の製作

・中期:かみ合わせ調整、簡単なむし歯治療、入れ歯の修理、衛生状態の向上

・後期:痛みの除去、栄養確保、誤嚥性肺炎や窒息予防 、入れ歯の不要

 

こまかく解説していきます。

 

治療方針を頭に入れつつ、診療にのぞみましょう。

 

【認知症の初期における歯科治療】目標:良好な口腔内環境の構築

認知症の初期における歯科治療は通常通りの治療とまったく変わりません。

 

口も開けることができますし指示に従うこともできるからです。

 

そのため目標は「良好な口腔内環境の構築」です。

 

むし歯治療、歯周病の治療のように悪いところを治す治療。

 

合わない被せ物や入れ歯の再作成のようにかみ合わせやを構築するための歯科治療。

 

特に入れ歯は、複雑な形態から簡単なものへと変えておくことは有効です。

 

きたるべき将来の、対応困難な時期に備える治療をおこなっていきます。

 

【認知症の中期における歯科治療】目標: 良好な口腔内環境を維持

認知症の中期における歯科治療は、口腔内環境を「維持」するための歯科治療にシフトします。

 

中期では、長時間の治療が困難で細かな指示に従えなくなり、介助が少しずつ必要な状態のなっていきます。

 

噛む力が少し弱ってくるので、かみ合わせ調整で噛む力の機能維持。

 

歯磨きに隙ができ、汚れが溜まり易いので、口腔内衛生状態の維持。

 

入れ歯の修理や簡単な虫歯の治療、などをおこないます。

 

通院が難しく、訪問歯科の利用を検討する時期です。

介護をする人たちにとっては、介護負担度を軽減するための治療にもなります。

 

【認知症の後期における歯科治療】目標: 痛みの除去、栄養確保、肺炎や窒息予防

認知症の後期における歯科治療は、痛みの除去や栄養状態の確保、肺炎予防にうつっていきます。

 

指示に従えず治療困難な場合が多いので、積極的な介入は難しくなります。

 

どうやったら栄養を確保できるか、誤嚥性肺炎や窒息を予防できるか、という視点が必要になってきます。

>>参考:【簡単なコツ】歯磨きできない認知症の人への対処法を解説します【嫌がる・拒否あり】

 

歯医者だけではなく他の職種と連携しつつ治療を進めていきます。

 

入れ歯を使わないで食事するということを考える時期でもあり、口腔ケアの重要性が大きくなってきます。

>>参考:【効果と目的】「口腔ケアとは?」口腔ケアが必要な理由をピンポイントで書いてみた

 

家族の理解と協力が必要な時期です。

 

認知症になる「前」に歯医者で歯の検診をうけましょう

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今回の記事をまとめます。

 

・認知症と診断されたらまず歯医者を予約してほしい

・歯医者に行くことで本人も介護する側の負担も減る

・認知症の初期ではむし歯や歯周病、被せ物や入れ歯を作りなおして、「口腔内環境の構築」をめざす

・認知症の中期では噛む力や衛生状態を保つような、「口腔内環境の維持」をめざす

・認知症の後期では痛み除去、栄養確保、肺炎や窒息の予防をめざす

口や歯では、日々のメンテナンスは大事です。

 

人生100年といわれる超高齢化社会が今の日本の現状です。

 

そもそもの話になりますが認知症に診断される「前」から、毎日の歯磨きを徹底し定期的に歯医者で検診を受けておくことが一番です。

 

歯を守る意味だけでなく、定期的な検診から認知症に気づくこともあるからです。

 

「食べる」ということは「生きる」ためでもあり、「楽しむ」ためでもあります。

 

自分の歯で噛むことができて、飲み込むことができる、というのは当たり前のように見えて、実はものすごい尊いことです。

 

特に歯医者と聞くだけでムズムズしてしまうような歯医者嫌いな人たちにとっては、歯科検診はハードルが高いかもしれません。

 

そんなときは毎日の歯ブラシを徹底することから始めましょう。

 

歯磨き粉を殺菌成分のあるものに変えるだけでも効果はあります。

 

歯磨き粉は歯医者でも使われている「コンクール ジェルコートF 90g」が理想です。詳しくは【口コミNO.1】コンクール ジェルコートF を歯医者がレビューする で解説しています。

 

ただ、1本で1,400円ほどと少しお高めなので、市販のものでフッ素が1400ppm以上のものであればOKです。

タフトブラシと呼ばれる、歯を1本1本磨く歯ブラシ付きですが、単品で買うよりもお得で、最安値です。

>>タフトブラシが疑問の方:【すごい…】タフトブラシの効果・使い方【特徴は磨き残し撲滅です】

 

歯は早めに治療さえすれば、時間もお金も節約できます。

 

そういう意味でも、日々のメンテナンスで歯を清潔に保ちつつ、定期検診をうけておくことは有益です。

 

ぜひ歯科検診にいきましょう!

 

今回は以上です。

 

>>参考:比較あり:歯医者がおすすめの歯磨き粉 5選【目的別ランキング】

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>>参考:比較あり:歯医者がおすすめする洗口液 3選【あなたに合った選び方】

 

 

 

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