
転職の基準を知りたい歯科衛生士「いま歯科衛生士として働いているけど、どんな理由で退職しているのかな。どんな状態なら退職すべきだろう…。わかりやすい基準とかあったら知りたいな。」
転職を考えている歯科衛生士さんが「他の人はどんな基準で退職を決めているのだろう」と考えるケースはわりとあります。
関連記事 ▶︎「歯科衛生士の失敗しない転職ロードマップ」はこちら

この記事を書いている私はフリーの歯科医師です。これまで50以上の医療機関と関わってきまして、100人以上の衛生士さんと一緒にお仕事してきました。
そのため、たくさんの転職話を聞く機会があります。
毎日 Twitter(ありがたいことに1万人以上の方にフォローしてもらっています!)で医療と介護の情報を発信しています。
この記事では、歯科衛生士さんが退職する理由、ほんとうに退職すべき基準をまとめて解説します。
この記事を読めば、転職を考えている歯科衛生士さんが「辞めるための基準」を知ることができます。
■ 本記事の内容
歯科衛生士の退職理由【辞めたい…】
人間関係
職場の人間関係は、「退職の理由」第一位です。
歯科医院は基本的に少人数で仕事をするため、スタッフ間同士の距離が近く、いじめやマウンティングが起こりやすいです。
お局さん的な歯科衛生士が退職に追い込むケースや、同僚が冷たくして辞めさせるケースなど、パターンは様々ですが、狭い人間関係なので逃げ場がないことがキツイ要素です。
人間関係のこじれは、ほとんどは運に左右されるので、自分でコントロールできないことも多いです。
自分に原因のあることもありますが、どのような職場にも適応できる人は存在しません。
仕事内容
仕事の内容に不満があって退職するケースも多いです。
仕事の内容に満足できないと、 仕事をする楽しさや自分の存在価値を見失ってしまいます。
院長の診療方針が合わないとか、自分の思った通りの診療をさせてもらえないとか、聞いていなかった残業があるとか、 病院によって個人差はあっても、不満が溜まっていくといつか爆発してしまいます。
給料が安い・年収が低い
お給料への不満も、退職する大きな理由になります。
給与が低いと生活に響きますし、なにより労働に対する対価をきっちりもらうのは当然の権利です。なによりそれは、あなたの価値そのものです。
仕事が大変でも自分の満足するお給料もらえていれば、頑張ることもできます。
仮に給料が少なくても、もらえない理由(例えば自分のスキル不足とか医院の経営が悪化しているとか)が分かっているうちは、まだ貢献しやすいと思います。
自分への評価を感じなくなると、だれでも不満に思いますよね。
【関連記事】>> 【結論:350万円です】歯科衛生士の年収を徹底解説する【実態はどれくらい?平均は?】
スキルアップ
衛生士としてスキルアップしたいという原動力は、退職の理由になります。
今の病院で学ぶべきことを学んだら、次のステップへ来たくなるのも当然です。
今やっている分野を突き詰めるためのスキルアップもありますし、 全く別物の分野に飛び込むのもスキルアップにつながります。
>>参考:訪問歯科衛生士は「未経験」こそチャレンジする価値あり【経験不足でも大丈夫】
成長したいという志は、自分のスキルアップとなり、患者さんへの貢献につながります。
ライフスタイルの変化
ライフスタイルの変化は退職をせざる得ない理由になります。
結婚、出産、子育て、介護など人生のライフイベントの影響でライフプランが変わっていくからです。
歯科衛生士は女性の多い職種なので、出産の時期に仕事を退職することも多いです。
その分、資格職なのでブランクがあったり、未経験だとしても需要はあります。
ライフスタイルの変化を考慮して、求人を出している病院もたくさんあります 。
>>参考:【ブランク明け】40代歯科衛生士さんに復職をオススメする5つの理由
歯科衛生士が退職すべき基準【うつ病回避】
朝行きたくない。夢に出る
仕事に行きたくない、というだけならまだ耐えられるかもしれません。
>>参考: ズル休みしたいと思っている歯科衛生士・助手さんへ【心を削るのはNG】
…ですが「夢に出てくる」なら、すぐ転職を考えましょう。
「夢にまで出る」という事は、自分の中で相当ストレスになっている証拠で、職場にかなり疲れている状態です。
お局衛生士さんから無視される、 院長から冷たくされる、同僚の衛生士と仲が悪い、残業代が出ない・・・
とにかく朝起きたとき、憂鬱という状態を超えても夢に出てくるようであれば転職フラグが立ちまくっています。
>>参考:限界:人間関係に疲れきった歯科衛生士が良質な職場に出会う3つの方法
自分の心と体を守るために転職を考えましょう。
院長の方針についていけない
院長の診療方針や経営方針にどうしてもついていけない場合は、退職を考えてください。
病院に関する権限は、院長先生にあります。
歯科医師の先生は変わってる先生も多いので(自戒)、ワンマンタイプの院長とスタッフの意見を尊重する院長にわかれます。
ワンマンタイプの院長とは、方針が合わなければ、やっていくのは厳しいです。
このタイプは、性格や方針の変わる余地がほとんどないので、どうしても譲れないラインが自分の中にあれば転職するしかありません。
逆に、スタッフの意見を尊重する院長には一度意見を交換する価値があると思います。
ただしどちらも最終決定は院長にかかるため、方針の違いは衛生士さんが「納得する」「飲み込む」「拒否する」このどれかしかありません。
結論としては、自分の持つ”衛生士としての信念”に、どうしても納得いかないことがあるのであれば、職場を変えるべきです。
人格否定・パワハラ・セクハラ
人格否定やパワハラやセクハラがおこなわれている職場。これは即刻退職すべきです。
なぜなら、これは許されるべき行為ではないからです。
>>参考:対処法:歯科衛生士がパワハラをうけたら…【ストレスフリーをめざす】
それに、そのような環境に身を置くことで、よいことはひとつもありません。
病院を良くするためとか、あなたを指導するために注意をする場合はパワハラには当たりませんが、そこで怒鳴ったり、人格否定が加わったりすると、それは立派なパワハラです。
セクハラに関しても、 院内のスタッフ同士でセクハラがある場合もあれば患者さんからのセクハラもあるんですよね。
院内のスタッフのセクハラに関しては即刻退職案件ですし、患者さんからのセクハラでもし調子がヘラヘラしてるようなことがあったらこれは何が起こっても子も守ってくれないという証拠なのですぐに退職しましょう。
自分の身体と心は1つしかありません。大切に扱いましょう。
>>参考:歯科衛生士が円満に退職する手順【即日退職する方法も紹介】
給与が少なく、仕事量が多い
給料が少なく、仕事量が多い。これも最悪です。
単純に理不尽ですよね。人は楽しく過ごすために生まれてきています。
そのために仕事やお金が必要で、そのバランスをとってこそを楽しく生きられるはずです。
必要以上の仕事量の場合は、給与で評価して欲しいですし、その評価をもらうために、自分のスキルアップをする必要もあるでしょう。
そういう意味で、自分の働く年齢や地域の「給与の基準」つまり相場観を知っておくことは、自分を守ることにもなります。
歯科衛生士向け求人サイトを有効活用する
自分を過小評価されたくないですよね。そのためには求人サイトで自分の立ち位置を確認してみましょう。
歯科衛生士むけの求人サイトは山のようにあります。自分に適した求人サイトを利用するのは重要です。
求人サイトの選び方をまとめたので興味のある人は参考にしてください。
選ぶのが面倒という人は ジョブメドレーだけでもよいかと。
とくに、登録することで利用できる「条件にあった求人のみをメール通知」はかなり効果的です。いちいち確認する手間もなく、最新の情報を確認することができるでオススメです。
✔︎おすすめの歯科衛生士むけ求人サイト
・ジョブメドレー ※ 細かい条件で検索できる。新着求人が確認可能。転職後のアフターサポートあり
求人サイトを利用して転職する場合は、最終的に必ず登録が必要になります。
そのため、最初から登録して、使える機能を使い倒しましょう。
物理的に働くことができない
これはもう致し方ない退職理由になります。
どうしようもない事実ですので、病院側としても引き止めるり理由が見当たりません。
「出産」「引越」「親の介護」「子育て」のようなライフイベントにかかわる事情では、物理的に働くことができません。
これは、退職の口実としても有効です。
まとめ:辞めたい気持ちは正直。身体と心の健康を守ろう。
今回の記事をまとめます。
・退職理由は5つ。「人間関係」「仕事内容」「給料」「スキルアップ」「ライフスタイル」
・「夢に出る」なら退職すべき
・「方針の違い」「パワハラ・セクハラ」「仕事量に比べ給与が低い」も退職の基準
・過小評価されないために、他と給与を比較するのは大事
・自分の健康を最優先。身体と心のケアを忘れずに
自分の身体と心の健康が一番ということは忘れないでください。
人は頑張りすぎると心も体も壊れてしまいます。そして壊れてしまうと、治るまで時間がかかります。
ですので本当は、壊れる前に脱出するが一番です。
自分の置かれている環境がおかしいことは、感覚が麻痺して気づくことができないかもしれません。そういうときは周りの声が助けになります。
自分の置かれている環境を、なるべく客観的に見るようにしましょう。繰り返しになりますが、身体と心の健康がなにより大切です。
自分自身の声に耳を傾けてください。今回は以上です!