軽度認知障害(MCI)。歯の治療は何をすればよい?具体的な内容を歯医者が解説してみた。

今回は

以前と比較して物忘れが増えた、身だしなみに気を使わなくなった、やる気が低下した

のような

軽度の認知症(MCI)が疑われたときにおこなうべき歯の治療

を紹介します


みなさんにとって

歯医者ってどんなイメージですか?

多くの人は嫌なイメージをもっていると思います

治療が痛くて、治療期間長くて、費用も高い

  • 痛い
  • 長い
  • 高い

恐怖の3点セットです

予防が大切!

そんなことは頭のどこかでわかっているし

行かなきゃ行かなきゃと思いながらも先延ばしにしてしまう

普通の人でもこんな感じなのに

認知症になりかけの人にとっては歯医者へ行くことがもっと困難になってきます

それは痛みを感じにくいうえに

上手く表現する能力が衰えているからです

これでは気づいたときには口の中はボロボロで何も食べられない

そんな状況になりかねません

できるだけ早く歯医者に行ってくださいね

歯医者での治療内容を紹介する前に

まずは簡単に軽度認知障害(MCI)について説明しておきます

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MCIとは軽度認知障害のこと

MCIの診断

認知症を発症する前には

「MCI」とよばれる軽度認知障害の時期を経由します

認知症の予備軍です

診断方法には

  • 本人や家族への聞き取り
  • 簡単な筆記テストをおこなう認知機能検査
  • 血液から判断するMCIスクリーニング検査
  • CTやMRIによる画像診断

があります

その中でも

本人や家族への聞き取りがとても重要になります

・最近、物忘れが・・

・同じ話を繰り返す

・財布や通帳を頻繁になくす

・支払いにお札を使う

・服や髪に気を使わなくなる

以前と比べると明らかに様子がおかしい

「うちのお袋、もしかして認知症・・・?」

「あなたのお父さん、認知症じゃない・・?」

不安になりますよね

このような症状に周りの人たちが気づいたら

まずは病院で診察を受けましょう

近所の内科で構いません

と同時に

歯科医院も受診するようにしてください

なぜ認知症が疑われたときは何よりも早く歯の治療をするべきか、を

以前書いたので興味のある方はぜひどうぞ!

shirotanu.com

そのとき一体どんな治療をしておけばよいのかわからない人にために

MCIの疑われる時期だからこそやっておくべき

歯科治療の内容を紹介していきます

治療の選択肢が大きく広がることを知ってもらうことで

1人でも多くの人が早期の歯科受診につなげてもらいたいです

MCIが疑われたときにおこなっておくべき歯の治療

MCIを生活の自立度によってそれぞれ初期、中期、後期に分けて考えます

初期

歩行障害はなく自力で歯医者に通える段階

将来治療が難しくなったときに備える重要な時期です

以前と比べ、やる気の低下や物忘れが目立つようになります

例えば

  • 財布や鍵をなくす
  • 水を出しっぱなしにする
  • 身だしなみに気を使わない
  • 支払いにお札しか出さない

以前との比較はとても大事になります

虫歯治療

専門的にはC処(シーショ)とよびます

浅い虫歯を削って治す

深い虫歯は神経をとってつめる、もしくは被せなおす

特に神経の治療は時間がかかります

この時期におわらせましょう

歯周病治療

専門的にP処(ピーショ)またはP治療といいます

歯石をとったり

歯ぐきの腫れや出血を改善します

歯のためには早めの予防がとても大切です

抜歯

専門的にはext(エキスト)といいます

抜く必要のある歯は抜いてしまいます

将来的に揺れてくる歯も含まれます

口が開かなくなったり指示がわからなったとき

本人にも負担が大きく、抜歯が困難なことも考えなくてはなりません

被せものの作り替え

中で虫歯になっている

段差になっている

このような不適合な被せものは作り替えてしまいましょう

義歯の作り替え

合わない入れ歯や壊れた入れ歯は作り替えてしまいましょう

多くのバネがついているような複雑な形の義歯は

出し入れのしやすい簡単な形のものに変更しましょう

今は合っていても、予備でもうひとつ作っておくこともオススメです

将来壊れたり紛失する可能性があるからです

※ 保険適応の場合、前の入れ歯を作ってから6ヶ月経過しないと作ることができません
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インプラントの処置

インプラントは将来自分の歯ぐきを突き刺す凶器になる可能性があります

自分の歯が抜けてもインプラントだけ残ることがあるからです

インプラントは骨と強力にくっついているため、認知症の進んだときの除去は難しくなります

今のうちに取り外す、または上物をとる処置がオススメです

口腔リハビリテーション

聞きなれない言葉かもしれません

口の機能である「噛む」と「飲み込む」はまったく別のものです

たとえ噛む機能がしっかりしていても

飲み込む機能が弱ければ食べることができません

これを飲み込む機能の低下を「嚥下障害」とよびます

摂食機能療法とよばれる口腔リハビリテーションをおこない

口や喉の筋肉を鍛えたり、食事の形や量を調整することで

安全に食べるようになります

 


 

このようにMCIの初期では将来に備える治療がメインになります

どの治療も通院が必要でやることも多いですが

選択肢が多く存在するということでもあるため

積極的な治療をおこなうことができます

中期

やる気の低下や物忘れの加え

歩行障害や運動障害が発現する時期です

  • 杖をつかないと歩けない
  • 立ち上がることが困難

歯科医院の治療椅子(ユニットといいます)で長時間診療することは難しくなる時期です

同じ姿勢をたもつこと

頻繁な通院に負担にことが大きな負担となります

歯周病治療

初期と同様に歯を残すため歯周病の治療は大切です

認知症の進行や運動障害により

自分でのブラッシングが難しくなってきます

そのため

  • 周りの人が仕上げ磨きをする
  • 電動歯ブラシを使う

このような工夫が必要になってきます

義歯の調整

義歯の調整も定期的におこないます

義歯の手入れや着脱などに問題がでやすいため、

必要に応じて診察を受けるようにしましょう

調子が良ければ半年に一度くらいでも問題ないですが

家族のチェックは予防の第一歩になります

抜歯

この時期になると他の病気を併発している可能性も高く

抜歯には注意が必要です

特に高血圧、脳梗塞、糖尿病、骨粗鬆症では全身状態の精査が必要になるので

先生には事前に伝えておきましょう

口腔リハビリ

むせる、食べこぼすなどの症状がある場合は嚥下機能検査、嚥下訓練をおこないます

嚥下機能の検査は水を飲む単純なものから

嚥下内視鏡検査と呼ばれる鼻からカメラを入れて喉を観察するものまで多岐に渡ります

早めの気づきと訓練で

安全で満足な食事を少しでも長く続けることができます


この時期でもとにかく予防が大切になります

歯周病の治療や義歯の調整をおこない

残っている歯に負担をかけないようにしましょう

自分でのメンテナンスが難しくなってくるので

訪問歯科の利用を考えてもいい時期です



後期

口を開けつづけたり

先生の指示を理解することが難しくなってきます

自力での通院も困難です

入れ歯をとりのぞく

入れ歯は物を噛むための道具です

認知症が進むと

入れ歯は道具だということを認識できなくなります

口の中に入れておくことで、外れたり残っている歯に負担をかける場合は

とりはずしてしまうほうが安全なことがあります

口腔ケア

  • 細菌をとりのぞき口の中をきれいにする
  • 口の機能をたもつ

これらをまとめて口腔ケアとよびます

歯周病治療と口腔リハビリテーションの融合です


この時期で気をつけたいことは誤嚥性肺炎です

誤嚥性肺炎とは胃に送られるはずの食べ物や唾液が誤って肺に流れることで起きる炎症のことです

日本人の死因では第4位という上位に位置しています

誤嚥性肺炎を防止する意味で口腔ケアはとても重要です

訪問歯科のサービスを依頼して

定期的な口腔ケアと治療をうけるようにしてください

まとめ

いかがでしたか?

初期と後期では治療の選択肢の数が全然違うことに気づいた方もいると思います

早めに歯科を受診すればするほど

選択肢が広がるのです

周りにいる人たちが少しでも「あれ?」と思ったときは

積極的に歯医者へいきましょう

歯医者は歯のプロです

プロにチェックしてもらうことは1番の予防になります

そのためには今からかかりつけの歯医者を見つけて

定期検診をうけておくといいです

かかりつけの歯医者がいることは

「あれ?」という目を増やすこと効果もあります

歯医者嫌いなひとがっこ記事を読んで

検診にいきますように

そして認知症や身体の不自由な人が

1人でも多く、歯科治療をうけられますように

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