親の物忘れは初期の認知症(MCI)かも。すぐ歯医者に行くべき理由を介護経験ありの歯科医が解説

こんにちは

白たぬきです

高齢者や障害を持つ人たちの治療を専門に歯医者やってます

祖母の介護もやってます

「認知症になったらまず歯を治療する」ことがとても重要

ということを今回は紹介していきます


いま65歳以上の高齢者の7人に1人が認知症と診断されています

人数にして約500万人が認知症ということになります

さらにこれから高齢化が進み

ここ数年の間に

5人に1人が認知症になると言われています

・あれ?最近物忘れ多くない?

・また同じ話をはじめる

・財布や携帯電話をなくす

・なんども電話をかけてくる

・小銭があっても支払いにお札を使う

・周囲の会話についていけない

 

初期の認知症は

軽度認知障害(MCI)と呼ばれます

上に挙げた行動はMCIでもみられる症状です

周りにこのような人はいませんか?

 

もし両親や親戚、身近なひとが認知症になりはじめたら。。。

 

そのときは行政や医療機関と連携して

なるべく早くサポート体制を整える必要があります

その間は周りにいる家族にとってもいろいろやることが増え

慣れないことも加わって、疲労もたまります

そんな中

歯医者に行く

なんてことは後回しになってしまいますよね

どうしても歯や口の優先順位は低くなりがちです

でも実は

後々のことを考えると後回しどころか

最優先で

歯科医院に行くべきなのです

 

今回は

できるだけ早いうちに歯医者に行くべき理由

を紹介していきます

 

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認知症の症状が進むと歯科治療ができなくなる!

 

結論をいってしまうと

認知症が進行すればするほど

歯科の治療は困難になります

それに加えて

歯磨きができなくなるので

歯はどんどん悪くなっていきます

まさに悪循環

なので

とにかく認知症になったら歯の治療をしておくべきなんです

特に初期の認知症で歯科の治療を受けておくことは

とても大切です

 

これがどのくらい大事かと言うと

最優先!!

って言い切っていいほど大事なことなのです

初期の認知症(MCI)

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先ほど説明したように

初期の認知症をMCI(軽度認知障害)と呼びます

 

認知症の前段階の時期です

 

その時期には

次のような症状がみられるようになります

 

・同じ話をくりかえす

・味付けが変わる

・好きなものに興味を示さなくなる

・いつも疲れている

ボクは祖母の介護をしていますが

 

まず

通帳をどこにおいたか、がわからなくなりました

 

最初の頃は1週間に一度

それがいつしか毎日になっていきました

お茶をいれたばかりなのに

なんどもお湯を沸かすこともありましたし

 

でかけるときは毎回

「火を消してないかも」

と家に戻るようになりました

 

今までできていたことができない

という変化が重要で

 

周りにいる人の

「あれ?」

という感覚は間違っていないと考えていいです

 

MCIになったら今すぐ歯科を予約!その理由3つ!

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① 口が開かない! 誤嚥性肺炎につながる認知症。

 

認知症が進行すると

 

言っていることが理解できない

意思疎通が難しい

うがいが困難

 

このような状態になります

 

そのため

口を開けていることが難しくなります

口を開けられない

つまり

積極的な歯科治療は難しい

 

ということになってしまいます

うがいの困難は誤嚥性肺炎(食べ物や唾が胃ではなく肺に流れて炎症を起こす病気)という日本人の死因第4位の病気を引き起こしてしまいます

 

② 手続き記憶の障害。 歯磨きができない。

 

歯磨きをすることを忘れる

もしくは

歯磨きの意味を忘れるようになり

 

自分の歯の手入れができなくなります

 

一見磨けているように見えることもありますが

歯磨きのように今までの人生での習慣になっている行為は

無意識に体が動くことがあるので注意が必要です

これを手続き記憶と呼ばれ

歯磨き以外にも例をあげると

料理をする

自転車に乗る

などが挙げられます

ボクの患者さんにも

とても上手にピアノを弾くおばあちゃんがいらっしゃいます

ショパンの曲をずっと弾き続けています

 

③ 8020運動の一歩先の現実。虫歯や歯周病が悪化する。

歯科医師が業界をあげて8020運動(80歳で20本以上の歯を残す)を頑張ったおかげで

80歳の約半数が20本以上の自分の歯を残すことになりました

それは素晴らしいことなのですが

あくまで健康でいるときの話なのです

認知症になると自分で歯の手入れができなくなります

それどころか

歯の痛みや入れ歯の不具合を表現しづらくなってきます

 

つまりせっかく残した自分の歯が

虫歯や歯周病の危険に晒され

 

お金をかけた入れ歯や被せ物が

使えなくなる可能性が飛躍的に高くなります

 

予防も治療せずに認知症が進行すると・・・

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ボクの患者さんには歯科受診できずに

認知症の進んでしまった患者さんがたくさんいらっしゃいます

例えば口は開かず拒否の強いおばあちゃん

それでも歯の痛みを訴えていました

 

数人のスタッフで頭を抑えながらグラグラの歯を抜きました

自分で入れ歯をはずせなくなったおじいちゃん

不穏でオロオロしていました

長い間入れっぱなしのため

傾いた歯に入れ歯が引っかかっている状態でした

なんとか口を開けてもらって入れ歯と歯を両方削って

入れ歯のバネを調整して着脱できるようになりました

 

事前に処置をしておくだけで

トラブルを避けられる症例は山ほどあります

 

患者さんの負担を考えても

早いうちに歯科を受診してくださいね

 

歯医者が認知症に気づく。ポイント2つ

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歯科医師は歯のプロです

プロの定期検診を受けることで異変をいち早く気づくことがあります

今までの経験から

認知症の初期で現れやすい状況は大きく2つです

❶ いつも予約時間を守る人が来ない

❷ 今まで綺麗にしていた歯が急に汚れている

 

小さな違和感は本人だけでなくご家族にもお伝えしたい

そう思っています

 

そのためにも検診は家族で一緒に受けることもポイントですよ

家族みんなで定期的に検診を受けましょう!

 

認知症による行方不明は年間2万人!歯科はもしものときの手がかりになる!

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認知症による行方不明は年間2万人もいます!

カルテ

レントゲン(X線)

歯型の模型

もし将来的に認知症がすすみ徘徊するようなったとき

これらは本人確認の重要な証拠となります

 

治療が難しくなる時期に備える!定期検診は一番オススメ!

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認知症は誰にでもなりうる病気です

 

それでも初期に気づくことで対策の選択肢は広がります

反対に処置が遅くなればできる治療も限られてしまいます

10年以上認知症治療をしているボクでも

絶対口を開ける方法があるなら教えて欲しい

と思っているくらいです

 

早めに検診してくださいね

 

長谷川式簡易知能評価スケールで認知症チェックを!

改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は簡単にできる認知症評価法です

30点満点のうち20点以下だと認知症を疑います

 

10分程度でできるので一度試してみてもいいと思います

 

改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)PDF

 

認知症が進んだら訪問歯科で口腔ケアを!

認知症が進み

「通院困難」になったときは

 

訪問歯科診療

というサービスを受けることができます

 

歯科医師と歯科衛生士が直接自宅や老人ホームに訪問して診療してくれます

もちろん保険適応です

 

病院で受けるのと同等の治療が可能です

 

予防だけでなく、家族の負担という意味でも

積極的に訪問歯科での検診、治療をうけてみてくださいね

 

MCIの症状ごとでおこなうべき歯の具体的な治療内容については軽度認知障害(MCI)。歯の治療は何をすればよい?具体的な内容を歯医者が解説してみた。のエントリーで紹介しています

 

もう少しだけ介護と歯の関係について知りたい!

そんな向上心のある人のためにとてもわかりやすい本を紹介しておきます

 

ぜひ書店で手に取ってみてくださいね

もしくは以下からどうぞ

 

 

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